外交部(日本の外務省に相当)は、ソフトパワーを活用した文化外交を目指すため、「中華民国優質偶像劇海外輸出計画(台湾の質の高いテレビドラマを輸出するプロジェクト)」を展開している。今年選ばれたのは台湾電視公司(TTV)が制作した『親愛的、我愛上別人了(邦題:妻の純愛)』。英語とスペイン語の吹き替え版を中南米諸国に輸出する。
外交部が展開する「中華民国優質偶像劇海外輸出計画」は今年で3年目を迎える。1年目の『犀利人妻(邦題:結婚って、幸せですか)』、2年目の『16個夏天(英題:The Way We Were)』に続き、今年は台湾電視公司(TTV)が制作した『親愛的、我愛上別人了』を輸出対象に選出した。セリフを英語やスペイン語に翻訳し、吹き替える作業に10か月の歳月を費やした。吹き替え版は10月末に完成。11月よりグアテマラなど14カ国、18のテレビチャネルで順次放送されることになっている。
28日に台湾北部・台北市で行われた記者会見では、外交部の章文樑政務次長(副大臣)が登壇し、「流行文化は台湾のソフトパワーであり、文化外交にとって重要な武器だ。台湾の優れたテレビドラマの輸出を支援することで、中南米諸国の国民たちに台湾の流行文化や都会の生活に対する理解を深めてもらい、双方の文化交流を強化していきたい」と期待を寄せた。
『親愛的、我愛上別人了』は台湾の有名な観光スポットでロケを行っているほか、台湾の流行文化や社会の風潮をよく反映している。従来はスペイン語版だけだったが、今年は英語の吹き替え版も制作。これにより輸出範囲が、カリブ海に位置する英語圏の国交樹立国にも広がった。外交部では、テレビドラマを通して台湾の文化や観光資源を国際社会にアピールしたいと考えている。